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3月「インドのおもいで」
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いよいよ今年度も最後の月となり大忙しです。
また、最近ではいろいろな方の紹介でテレビ出演の依頼も多くなり、南池袋のスタジオも役立ち、作って良かったなと思っているところです。
まず「ナンをお鍋で作っちゃおう」ということで、フライパンで作るナンを考えました。
焼いているうちにあのインド訪問を思い出してしまい、なんだかせつなくなりました。
おおいなる母といわれているガンジス川をクルーズしたのですが、静かに流れる広い川を船に揺られて進んでいくと、川べりではなくなった人々の亡骸を燃やしている様子があちこちで見られるのです。
悲しそうに集まっている人々に見守られて、煙をいっぱいだしながら、天国に上っていくように見えました。
少し船が進むと、大きな川に向かって、沐浴している人、もっと進むと洗濯をしている人、全てみな同じガンジス川でおこなわれているのです。
船頭さんから、マリーゴールドの花と川魚の稚魚を小さな容器に入れたものを売っていただき、祈りながら川に流し冥福を祈りました。
街に出ると、牛と人が一緒に暮らしていて、車も人力車も牛もみな、同じ道をあちこちに移動していて、街の待合い室などにいると大きな牛とチョロチョロ出てくるネズミ、それに私達。
日本に暮らしていると想像もできないような風景です。
私が訪ねた時はちょうど、国をあげてのお祭りで、人・牛・猪などなどとにかく何がなんだかわからなくなり、気後れしてホテルの中に閉じこもって過ごすことが多かったです。
あるとき、お釈迦様が悟った場所というところに行ってみると、すっかり石碑は壊されていましたが、私達を迎えてくださった役人の方は「真実は勝つ」と記してあると教えてくれました。
これを見て、ほんの少し元気を取り戻したような気分になりました。
最後の日のパーティの時、チャパティというイースト無しのおせんべいのようなものと、タンドリーチキン、それに豆、野菜、とり肉のカレーがテーブルいっぱいに並びました。
「今日はナンはないのですか?」
と私が不満そうにマスターに訪ねると
「お客様。インドでは毎日ナンを食べる人はいません。生地を作るのに大変時間もかかり、材料も高級なのです。
カーストのえらい人でもお客様を迎える時や家族のお祝の時などに買って食べるのです。
ふだんはナンではなく、コーンや雑穀の今日お出ししたものやライスなのですよ。」
日本ではインド料理にはナンだと思っていましたが、これも現地にきてみて調べてみると、やはりちょっと違うようでした。
タンドリーチキンもヨーグルトへしっかりと漬け込んだとりを焼いてこげこげ…。
今月はテレビでも放送される私のフライパンで作るナンとぜひ作って、豆のカレーで食べてくださいね。 |
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